膿皮症にビクタス?

何年もビクタスクリームを塗っているけど完治しません。そんな子が時々来院します

The Vet 南麻布動物病院の症例です。3歳のアメリカン・コッカースパニエルの女の子です。

2、3ヶ月齢の子犬の頃からお腹に発疹ができて、ずっとステロイド入りの軟膏を塗っていたとのこと。ということは、3年くらいほぼ毎日のように塗っていたということ?まあ、塗っていない時もあったのでしょうけれど、しょっちゅう塗っていたみたいですよね。

一度も完全に綺麗になったことがないということで転院されてきました。

腹部の皮膚が薄~いです。毛も少なくて発疹がいくつかありました。

毛穴の汚れ(面皰)が目立ちます。

ステロイド皮膚症ですね。

ビクタスクリームは軽い発疹などの皮膚病でよく処方される外用薬です。ステロイドと抗生物質、抗真菌薬の配合剤です。

短期決戦には有用なお薬ですが、連日長期の使用はあまり薦められません。

この子は多い時は20gのクリームを1ヶ月くらいで使い切るほどたくさんの量を使っていました。

こんな風に何となく処方されて、漫然と長く使用して、治らないからまた何となく継続して……。と

かえって治りにくい皮膚の状態になっている子にまだまだ出会います。

薄い皮膚、面皰️(毛穴が黒く目立つ)、薄いフケなどが特徴です。

まずは通常の皮膚検査をして真菌やニキビダニなどに感染がないことを確かめました。

診断は膿皮症です。ワンちゃんでよく見られる細菌感染の皮膚病です。膿皮症の説明はこちら →

多剤耐性菌になってしまっていました。

感受性試験結果

でも大丈夫。シャンプーや保湿剤でどんどん良くなりました。

ビクタスクリームは中止して、以降全く使用しておりません。

2ヶ月で発疹は消失し、飼い主様にも大変喜んでいただけました。

食物アレルギーがあるようですし、犬種的にも皮膚トラブルは起きやすく、その後も外耳炎になったり時々皮膚が赤くなったりのトラブルはありますが、およそ良い状態で過ごすことができるようになりました。

腹部にも毛が生えるようになりました。

ビクタスクリームを塗っていても治らない。そんな時は、診断や治療法の見直しが必要かもしれません。膿皮症に漫然と塗られている場合、耐性菌(ビクタスクリームに含まれている抗生物質が効かない細菌が繁殖している)が生じている場合があります。またステロイドのせいで皮膚が薄く、弱くなってしまっているかもしれません(ステロイド皮膚症)。検査はされていますか?皮膚糸状菌やニキビダニ、疥癬が原因の皮膚病だったという事もあります。

不安がある方はお気軽にご相談ください。

この子の診療施設はこちら → 東京都港区The vet 南麻布動物病院

その他の診療施設はこちら→ 横浜市神奈川区アンベットクリニック

外用薬の使い方にはコツがあります。正しい付き合い方はこちら →


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