動物は人よりも感染症の皮膚病が多いです。例えば皮膚糸状菌症、疥癬、膿皮症、マラセチア皮膚炎、ニキビダニ症。全く発疹のない綺麗な皮膚病なら省略する場合もありますが、多くの場合初診時に「皮膚検査」を行います
ある日こんな子がやってきました。1年くらい前から皮膚病が治らず引っ越しもあり4件も動物病院で診てもらっているとのこと。何と5件目になります。いろんな治療をしているけれどこの3週間くらいですごく痒くなってしまって、脇腹を掻きこわして可哀想なことになってしまっているそうです。
掻いて真っ赤。脱毛になってしまってますね。

今までの治療を色々と伺うとアトピー性皮膚炎やマラセチア皮膚炎を疑って様々な治療がされていました。
アポキルも飲んだことがある。抗生物質もあげたことがある。アトピカもあげたことがある。サイトポイントの注射もやったことがあるとのことです。困りましたね。変な病気でしょうか?
高齢なので内分泌疾患や食物アレルギーの可能性もあり得るというお話をしつつ、まずは感染するようなものが検出されないか、基本的な皮膚検査をしてみます。(→皮膚検査についてはこちら)
はい。毛の検査で結果下のような状態が見つかりました。

皮膚糸状菌=真菌=カビです。毛の周りにたくさん付いている丸い粒々が真菌=いわゆる「カビ」の胞子なのです。植物で言う種に当たるものですね。写真だと見えにくいですが、毛の中の方には菌糸が伸びて毛を餌にして成長しているはずです。こうして真菌に食べられて壊れた毛は脆くなって抜けやすく(正確に言うと崩れて途中で切れています)、引っ掻くと同時にお家の環境中に散らばります。
ソファの上やペットのベット、そのような家具の隙間に毛やフケが詰まっていたりしますよね。そういう所で毛やフケを餌にして増え続けます。
ですので、動物の皮膚糸状菌(カビ)の治療は環境中の整備が重要です。そうしないと家具の隙間やベッドの上で増えた真菌がまた動物に付着して堂々巡りです。ある程度そのようなことが起こる可能性と、毛包の奥までカビが入り込んでいることなどを考え合わせて数ヶ月の治療が必要です。→ ペットが真菌と診断されたら
そもそも皮膚検査をしてくれていれば5件も動物病院を巡らなくても済みましたよね!お役に立てたようで良かったです。
↓ ちゃんと良くなりました😊

