創傷治癒の応用、治療前

猫が腹部を舐め続けるという主訴で来院されました。

膀胱炎などの内科的疾患は否定的で、マラセチア・疥癬・ニキビダニなどの皮膚検査もすべて陰性。舐め壊しによる糜爛病変と判断し、猫のアトピー症候群と診断しました。

創傷治癒の応用、治療前

舐め壊し病変には湿潤療法に用いるジェルを塗布する処置を行い、ご自宅でも継続していただきました。初診から約2週間後の10月12日の再診では、病変はほぼ消失し良好な経過をたどりました。

創傷治癒の応用、治療後

その後は必要に応じて少量の止痒剤でコントロールしています。

猫の舐め壊し病変では、糜爛自体の疼痛や違和感が強いため、それを早めに和らげてあげることで治癒が速やかに進む印象があります。他院でステロイド含有の塗り薬を処方されているケースを見ることがありますが、舐めた傷は細菌感染のリスクがあること、またステロイドは皮膚の修復システムを阻害することから、適切とは言えないと考えています。さらに猫は皮膚が薄くステロイド皮膚症に陥りやすいため、私は猫にステロイドの塗り薬を処方することはほぼありません。

傷そのものに目を向け、丁寧にケアしてあげること。それが慢性化を防ぎ、動物の苦痛を早く取り除く近道だと考えています。

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