皮膚の変化を見過ごされていた腫瘍の症例について ー 回顧録的な・・ ー
えー、最初に言います。今回若干愚痴です。
過去の症例をネタに。。時々感じることなんですけど。。
皮膚の変化って時々軽視されるんです!!😡
この子は高齢のプードルさんで以前勤めていた病院で出会った子です。ずっと他の先生に懐いていた飼い主様の子で、言ってみれば私の担当って感じではなかったわけです。
割と神経質な飼い主様でちょっとした下痢とかでよく来院されていたようです。ずっと腫瘍認定医さんが診ていた症例だったような気がするのですが、どこかの時点からこんな風に脱毛が生じていたみたいなんですよね。

でもですね。全くと言って良いほど脱毛については気にされていなかったんです。
年取った子って毛が薄くなったりすることよくあるよね。みたいに。。。。。😓
担当医が休みの日にまた下痢か何かで来院されて、たまたま私が診察に入ったんですよね。。で。
「あれっ?毛が薄いのいつからです?」
すぐにさっと身体検査をしたら。。。
何と!
可愛いたまたま(あれですよ、あれ。そう。睾丸=精巣です。。)が左右不対照な上に大きい方はゴツゴツしてるじゃないですか!
だからね。言いました。
「〇〇さん。今日の下痢はお薬出しますけど、それよりこの毛が薄いのですね。ひょっとすると精巣の腫瘍からきてるってこともあり得るんですよ。ほら。大きさが左右で違うし何か固いでしょ。そういう腫瘍あり得るんです。精巣の腫瘍だと放っておくと貧血とかになって命に関わることだってありますから、担当医の先生にももう一度早めに診てもらって相談してくださいね。」参考→
いえね、ずっと他の先生が診ていた症例だと横からグイグイ検査進めて手術の予定まで立てちゃうとかはなんだな、っていう遠慮があるわけですよ。飼い主さんにしても急な話ですし、いつもの先生とも相談したいでしょ?すぐ来てくれそうな方だったし。。
というわけで、この子は後日去勢手術をして精巣を無事摘出。
その後こうなりました。。

貧血にもなってなかったし、良かったです。
でもね、でもね!🤣
私、担当医からも飼い主さんからもお礼も感謝も全然言われなかったの!😂
そんなことってありますー?放っておいたら死んじゃったかもしれないのよ?(ちょっと大げさかもしれないけど。手遅れになることだってあり得る。。)まあ、いいんですけどね。😔
というわけで。
「何か皮膚科医って可愛そうだな・・・・😭」っていう愚痴でした。笑。
あと、
「皮膚は内臓の鏡だからー!異常を見たら気にしてよね!!」
ってのがホントに言いたいことです。
以上でした。。