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脱毛と精巣腫瘍:見逃される皮膚の変化

精巣腫瘍による脱毛

精巣腫瘍による脱毛。去勢前後の画像比較

脱毛から発見した精巣腫瘍の話。皮膚の変化を見過ごされていた腫瘍の症例について

かなり昔の症例の話ではあります。時々感じることなんですけど。。

皮膚の変化って時々軽視されるんです!!😡なぜでしょうか?

例えばですね。→ https://axxis.co.jp/magazine このようなサイトで「医者、稼げる診療科」 と入れてみてください。

皮膚科って下の方なんですよ。獣医師は基本何でも診るし(私も専門医ではないのでどの科も診察します。皮膚科の仕事量が多いけど)、国内の認定医とか専門医制度の歴史が浅いので、必ずしも医師と同様の状況ではないのだけど、整形外科や腫瘍科と比べると一般的には儲からない科目なんですよ。だからですかね。あからさまに「儲からないよね」なんて言われることすらあります。マウント??WW

さて、そんなわけで皮膚に明らかな異常があっても「まあ、年取ってるとそういうことあるよね」って感じで、気にも留めてもらえない、なんてことがあるんです。

 この子は高齢のプードルさんで他の獣医師の担当の子だったのですが、どこかの時点からこんな風に脱毛が生じていたみたいなんですよね。

でもですね。全くと言って良いほど脱毛については気にされていなかったようです

担当医が休みの日にまた下痢か何かで来院されて、たまたま私が診察に入ったんです。当然聞いてしまいますよね。

「あれっ?毛が薄いのいつからです?」と。

聞きながらすぐにさっと身体検査をすると。。。あ!発見!!

可愛いたまたま(あれですよ、あれ。そう。睾丸=精巣です。。)が左右不対照な上に大きい方はゴツゴツしてるじゃないですか!

だからね。言いました。

「〇〇さん。今日の下痢はお薬出しますけど、それよりこの毛が薄いのですね。ひょっとすると精巣の腫瘍からきてるってこともあり得るんですよ。ほら。大きさが左右で違うし何か固いでしょ。そういう腫瘍あるんです。精巣の腫瘍だと放っておくと貧血とかになって命に関わることだってありますから、担当医の先生にももう一度早めに診てもらって相談してくださいね。」参考→

いえね、ずっと他の先生が診ていた症例だと横からグイグイ検査進めて手術の予定まで立てちゃうとかはなんだな、っていう遠慮があるわけですよ。飼い主さんにしても急な話ですし、いつもの先生とも相談したいでしょ?すぐ来てくれそうな方だったし。。

というわけで、担当医を中心に検査に進み、この子は後日去勢手術をして精巣を無事摘出。

その後こうなりました。。

精巣摘出後の発毛

貧血にもなってなかったし、良かったです。

「皮膚は内臓の鏡だからー!異常を見たら気にしようね!!」

と、声を大にして言いたい。皮膚は目に見える一番大きな組織です。異常があれば身体全体にも何かあるかもしれないな、という感覚を大事にしたいですね。

以上でした。。

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