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猫の皮膚病ー蚊!蚊が出てきたよ!!注意!!ー

蚊!蚊が出てきたよ!!黒いお耳を持つ外猫さん!!この季節は要注意!!お耳にブツブツが出て引っ掻いている。そんな時は・・・・・!

暑くなってきました。。お外に出るのに虫除けがいる季節。。

実は私、O型のせいがとても蚊に好かれます。えっ?足が臭いんじゃないかって??・・・酷い。。。。😿

わんこはこの季節はそろそろフィラリアの予防を始めなくちゃ!って頃ですよね。

にゃんこの皮膚科領域ではこの頃から。。特に外猫さん、しかも何故かお耳の黒い子が特に!!

にやられる季節なんです!!

蚊刺症=モスキートバイト!

ご存知でしたか?その名も「蚊刺症」、あるいは「蚊刺咬性過敏症(モスキートバイト)」なんて言います。

これは蚊のアレルギーであることが分かっています。

教科書では昆虫アレルギーと紹介されていることもあります。

耳介や鼻先、足の裏など毛の薄いところがやられます。そして猫さんは解毒作用が弱いので、どうも人用の蚊よけゼリーを塗らない方が良いみたいなんですよねー。。

結局のところ、蚊に刺されないようにする。病変は早めに対症療法で治す&引っ掻かないようにする。。という対応になりますが、ま、蚊に刺されか!そのうち治るかな!なんて軽く見ていると、酷く引っかき壊して化膿してしまうこともあるので、早めにご来院くださいね!

治療後↓

痒くなくなって良かったね!

犬の皮膚病 ー ニキビダニ症 ー

今日はニキビダニ症という皮膚病を解説します。見た目だけでは分からないこの病気は色んな発疹を呈するのが特徴的。若くてもお年寄りでもニキビダニ症は発症するよ。まずはきちんと皮膚検査をすることが大切なんだけど。。。。

1.ニキビダニはヒトにもいるよ!

いきなりですが、ニキビダニはヒトにもいます。

えぇ〜!いやあ!😱という声が聞こえてきそうですよね😆

そう、あなたにも、私にもいるそうです。。

人によってはこういうお話が嫌いな方もいらっしゃるかもしれませんが、ここは科学的な議論?の場なので、冷静に今分かっている事実を述べていきます。細菌で、常在菌とか日和見菌とかいう用語を聞いたことがあるでしょうか?

常に在る菌と書きますが、健康な人や動物の多くがその菌を持っていて、共存している菌のことを指します。実はこれはある種の寄生虫にも当てはまり、ニキビダニというのは健康な動物や人の毛孔(毛包)に住んで共存しているそうです。

何かちょっと嫌ですよね😆。まあ、仕方がないです。長い人間や動物の歴史?の中でそうなっているということですし、自分だけは完全に清浄であると思ってはいけないというとこですかしらね!?😅

2.毛孔に住んでいます!(閲覧注意?)

そういうわけで、ほぼ全てのイヌが(ヒトも) ”ニキビダニ”という虫?を毛孔に飼って?共存しているのです。😅

こんな感じに(ちなみにこれはちょっと増えすぎてますね。。あと、実際はもっと小さくて、その代わり増えている時はもっとウジャウジャと。。。ふふふ😅)

画像5

分かります?毛孔に可愛い?ニョロニョロみたいなニキビダニが住んでいる図😙

実際はこんな感じです

ニキビダニ 2

でもほとんど心配いりません。ヒトにはヒトのニキビダニ。イヌにはイヌのニキビダニがいて、イヌからヒトへ移ることはありません。(笑)

え?でもヒトにもいるんですよね?

います。😱

言いましたよね? 大丈夫です。 心配いりません。笑。

😱

気にしないでください。笑。

3.免疫とのバランスが崩れるのが原因?

通常は自分の免疫が適度にバランスを取って、ニキビダニが異常繁殖するのを防いでいます。だいたい、10箇所くらい毛を抜いて顕微鏡で見た時に1匹くらい見つかっても気にしなくて良いということになっています。ところが、何が原因があってニキビダニの数が異常に増えると、皮膚炎の状態になってしまう。

まだ若いうち(だいたい2歳以下)、まだ皮膚が丈夫じゃなくて(皮膚の免疫?構造?その両方かな。。)ニキビダニが増えちゃうこともあります。

ちょっとしたひっかき傷みたいなのがなかなか治らなくて痒い時、ひょっとするとコイツかもしれません。時々、ニキビダニに弱い体質の子もいます。残念ながらこういう子は他の子よりちょっと酷くなるし、繰り返す傾向があって、生涯コイツとうまく付き合っていかなくちゃいけないということになります。。

逆に高齢の場合、何か持病があったり(皮膚以外でも!)、そうでなくても色んな病気に対する抵抗が衰えて。あるいはホルモン系の病気(内分泌疾患と言います)を発症してとか、他の病気で免疫を抑制する薬を飲んでいる場合など!

 ・・・つまり免疫が低下すると・・・・

ニキビダニ症を併発することがあるので、注意が必要。最近みるのが、アポキル!!これを2年位飲んでいる子で途中からニキビダニ症になっている子に時々出くわします!!アポキル効かなくなってきたらひょっとして・・?!

4.ニキビダニ症の実際の症状は多彩

イヌのニキビダニ症の発疹像は非常に多彩。

幼犬ではこんな感じの微妙な脱毛。。。だけど痒い! 抗生物質効かない。。  という病変が多く、

幼犬のニキビダニ症

高齢のイヌや基礎疾患のあるイヌでは

こんなだったり

犬ニキビダニ症1

こんなだったり

重症ではこんなになってしまうことも・・・

犬ニキビダニ症2

数十年前だと良い治療法がなくて、安楽死なんてこともあったそう😢

5.治療、そして背景となる病気を調べるのが大事だよ

今は良い薬ができて、そんなに治療に苦労しなくなりました。

真上のひどい子も↓ はい、この通り😀

國賀トロワ治療後背部

ただし、きちんとした皮膚検査をしないと見つけることができません。

それに、どうしてニキビダニが増えてしまうような状態にあるのか?

を探っていくことも大事です。

まだ若いから、皮膚の免疫も弱くてちょっと負けてしまっていて、病変が出てしまっているだけなら割とあっさりと治っていきますが、

特に高齢の子の場合は、アレルギーとか、内分泌疾患(ホルモンのアンバランスが起きる病気)、内臓の他の疾患など、

【 基礎疾患があるために、皮膚の免疫機能が衰えて発症している ]

ことが多いので、根底にある病気を丁寧に探っていくことが大切。

病変が重度の場合は細菌感染も合併するのでそちらの対策も必要。

場合によってはニキビダニ対策をずっと続ける必要があるかもしれません。

ヒトの場合は顔ダニとかいって、やっぱりニキビと関係してる場合もあるみたいですね。🤔

えっ?自分の顔ダニはどうすれば良いかって?

それは知りません。😁

犬の皮膚病・ホットスポット – Hot Spot –

急に痒がって真っ赤に!ずっと掻いている!じくじく!液が出てきた!一晩で赤むけに!脱毛!

さて、今日はじめじめして&暑くなってくるこの季節に多くなる皮膚病を紹介します。それはHotspot(ホットスポット)と呼ばれる皮膚病。

症状

日本語では急性湿性皮膚炎なんて呼ぶかな。その名の通り本当に急性です。例えば朝から急に掻き出して止まらないといって昼過ぎとかに来院とか、夜中掻いていて朝来院とか!朝までにあっという間にひどくなってしまう。。。引っ掻いたり、酷いと齧ったり。。

だから引っ掻いたり噛んだりしやすい所によく出来ます。頬とか、腰とか、首とかが多いですね!!

Hotspot

上の写真はまだ早めに来院してくれたので良かった方です。

あと少し置いたら腫れ上がって、じくじくがもっと酷くなり、膿っぽくなり始めたことでしょう。。。🥲

原因

原因は主に湿気!!

と、私は思っています。。。。😁

何故ならあまりにも梅雨の時期、特に湿気の強い日、特にアンダーコートが多いシェルティ、ゴールデン・レトリバーなどに多いから。。

教科書的に言うと、原因は痒みをきっかけとするものなら何でもあり。ノミ寄生、膿皮症、アトピー性皮膚炎、外耳炎、肛門腺炎などなどなど。。主には細菌感染なんて書いてあったりもするけれどね。。。

えっ?じゃあ、アトピー性皮膚炎とかで掻いているのと何が違うの?というと、自分で掻いてしまったことが原因で皮膚が剥けてしまって、その痛痒さが我慢ならないものになってしつこく掻くのが止まらず、どんどんひどくしてしまっているという悪循環。。。が、Hotspot病変を作ってしまっているということ。

子供が蚊に刺された所を引っ掻いて痛くしちゃって、いじるのが止まらなくなっちゃって赤剥けして腫れちゃってるのと同じ感じです。

靴ずれみたいな痛痒さって言えば分かるでしょうか?

ひどくなるとこんなにしてしまいます。↓

外耳炎が原因だったHotspot

治療

治療は患部の炎症を鎮めること、感染を抑えることの他に、感染があまりなさそうならば病変の場所によっては湿潤療法をやってみることもあります。

靴ずれみたいな痛痒さは湿潤療法がうまくいくと10分くらいで収まりますよ。😀

あと、他の場所に同じような部位がないか調べたり、ノミがいないかとか、耳、肛門腺の痒みではないかとか、場合によっては膀胱炎とか関節炎の鈍痛やチクチクする痛みなどがきっかけの場合もあるので、そういうところもしっかり診てあげる必要がありますよね。

もしお家にいて、すぐには動物病院に行けない場合は冷やすのも効果的かも!

でもひどくなる前になるべく早く病院に連れてきてあげてくださいね!!😂

犬の皮膚病・ステロイドって怖い?ー飲み薬の場合 ー

皮膚病と言えばステロイド。先に言っておくとステロイド=怖いではありません。私も使う時あります。でも使い方と減量の努力が必要というお話。。

ステロイドって聞いたことありますよね。多くの方が何だか怖いイメージを持っているのではないでしょうか?

ステロイド=悪ではありません。とても良い大事な薬の一つです。病気の種類によってはそれしか効果がない、それに頼るしか方法がないものなどもあります。

でも有害作用を持っているのも事実。

正しく理解して気をつけて、減量の方法を探りながら上手に使いましょう!

ある症例の紹介

ある日やってきた脱毛症と外耳炎のわんこ。

センター南動物病院にて

中耳炎疑いで発作を起こして以来長くステロイドを継続して使用されていました。

私は最初の診察を診ていないので、きっと最初はステロイドが必要と判断する状況だったのだろうと推測することしかできません。が、その後こんなにも長く同量の継続が必要だったのかというところにはちょっぴり疑問を感じざるを得ませんでした。

上手に減量していきます

外耳炎の治療と並行して、発作がその後ずっと起きていないことを考慮し、諸々飼い主様と連携しながらステロイドの減量を試みました。

そもそもステロイドとは?

ステロイドは俗称で、この場合副腎皮質ホルモン製剤を指します。

よく使用されるステロイド(副腎皮質ホルモン製剤)

こんな薬です。↑

炎症や皮膚病の痒みを抑える目的でよく処方されます。この子の場合のように、脳神経系の浮腫や炎症を疑う場合などにもよく処方されます。

問題は、この薬が痒みや炎症を抑える作用以外に多くの作用を持っているので、時に体にとって有害になってしまうということにあります。

ステロイドの有害作用として

短期的には

  • 飲水量の増加。排尿量の増加
  • 食欲亢進(弱っている子ではメリットのことも!)

がありますが、短期的なら一過性のため、あまり健康上の問題にはなりません。なので短期の使用はあまり心配せず、一時的に必要な薬なんだ!と思って指示通り使ってください。

怖がりすぎずに知っておこう。ステロイドの副作用

長期的に使用した場合、上記の作用の他に

  • 肝腫大
  • それに伴う肝臓系の血液検査の値の上昇
  • 太りやすくなる(お腹がポッテリと太鼓っ腹になるのが特徴です)
  • 骨や筋肉が少なくなる
  • 糖尿病になりやすい
  • 感染症に弱くなる
  • 傷が治りにくい
  • 皮膚が薄くなる
  • 毛が抜ける
  • 皮膚や内臓の石灰化
  • パンティング
ストロイドの長期的投与で特徴的な太鼓腹。皮膚が薄く血管が透けて見える。触るとペラペラに薄い。。。
皮膚には石灰沈着が出来て固くなっています。

など問題が生じてきます。また、毎日連続投与していると、たとえ少量でも自分の副腎が休んで萎縮してしまいます。この場合、突然休薬すると危険です。食欲な全くなくなって、ぐったりしてしまうこともあります。

減量する時の注意

だいたい3週間以上投与している場合は、上記の有害作用を気にする必要がありますし、減量する場合は少し慎重に減量する必要があります。

今回のわんこでも、1回量を増やして間隔を空ける。休薬日に元気がなくなったり食欲がなくなったりしたら、救護薬的にごく少量のステロイドを投与すること。などの配慮をした上で少しづつ間隔を空け、用量を減らして、外耳炎の治療に通院しながら最終的にステロイドを中止することができました。

もちろん病気の種類によっては有害作用には目をつぶり、受け入れ、付き合いながら使い続ける場合もあるかもしれません。が、本当に必要なのか?減量の方法はないのか?については獣医師も常に考えてあげなくてはいけませんよね。😌

良くなりました

数ヶ月を経て、上のわんこはこんなにフサフサになって元気も出ました!!↓ 発作も起きていません!😃

ステロイドから離脱してフサフサになりましたよ!

最近ではアトピー性皮膚炎などの痒い皮膚病に対して新薬が次々と発売されて、皮膚病でこのわんこの様になる子には遭遇しなくなってきました。

10年前は多かったーーー!😅 私の仕事の多くはステロイドからの離脱でした😂

なので、もし知り合いのわんこが皮膚病でステロイドが減らせなくて支障が出ているなんて事があれば、どうぞご紹介ください。安全にステロイドを減らす経験はたくさん持っています。

犬の皮膚病ーアトピー性皮膚炎ー

 アトピー?アレルギー?どう違うの?これはアトピー?? アトピーかもって言われたら・・・

アトピー性皮膚炎って?

アトピー性皮膚炎!一度は聞いたことがあるでしょう。

お家のワンコが痒がったらアトピーなのかな?🥲 なんて思ったりしますよね。

でも一体アトピーって何?アレルギーとどう違うの? を解説します。

 そもそもアトピーという言葉は「奇妙な」という意味のギリシャ語atopiaに由来し、家族あるいは、家系内に出現する異常な過敏反応として、1923年にCocaとCooke によって名付けられたそう。

 これを元にして「アトピーってよく分からないのでしょ?」とかって思っていますか?

いえいえ、それは1923年頃の話。今からおよそ100年前ですね!😮

 当時は新しく認識されたよく分からない病気だったのでしょうけれど、この100年の間にアトピー性皮膚炎の研究はかなり進んで、随分解明されてきているんですよ。

アトピー性皮膚炎とアレルギーの違い

 アレルギー?アトピー?どう違うの?

異物が体内へ侵入した時、これを撃退する仕組みを免疫反応といいます。

生体に有害な免疫反応をアレルギーといいます。

「アトピー性皮膚炎はアレルギーの症状の現れ方の一つです。」

 犬のアトピー性皮膚炎の特徴

犬にもアトピー性皮膚炎があると分かったのは1941年が最初の報告です。

「犬のアトピー性皮膚炎(CAD)は、IgEという種類の抗体が関係している、痒みと炎症を特徴とする皮膚疾患で、遺伝性な背景がある」と言われています。

 犬のアトピー性皮膚炎の診断基準で有名なのは、Favrotという人が報告した診断基準

  1. 初発(最初に発症した年齢)が3歳未満
  2. 主に室内飼育
  3.  ステロイドに反応する痒み
  4. 初発時は皮膚病変がない痒み
  5. 前肢の罹患(前足に病変あり)
  6. 耳介の罹患
  7. 耳介辺縁は罹患していない
  8. 腰部背側は罹患していない

これら8つの基準のうち、5項目を満たすと80%くらいの確率でアトピー性皮膚炎と言えるよ、というものです。(正確には感度85%、特異度79%)

これは、「当てはまれば!」という基準なので、当てはまらないから違うというものではありません。

でも、お家の子の症状や初発年齢などが上の基準に「当てはまれば」アトピー性皮膚炎の可能性が高いと言えるでしょう。

当てはまらなければ違うとは言えませんが、一つの参考にしてください。

また犬のアトピー性皮膚炎では、

この図のように

  • 目の周り
  • 口の周り
  • 四肢の曲がる所
  • 指の間

などが赤くなって痒くなることが多いです。

アトピー性皮膚炎の原因

 アトピー性皮膚炎は、何かの原因物質に反応しているという結果だけではなく、皮膚が構造的に弱いとか、色んな物にアレルギーを発症してしまいやすい遺伝的な性質があることが分かってきています。

こんな風に色んな原因が絡み合って発症する病気を多因子性の病気と言います。

 アトピー性皮膚炎は多因子性の病気です!

 その要因には次のようなものがあります。

  • 原因物質(アレルゲン)
  • 皮膚のバリア機能(防御力)
  • 侵入したアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)に過剰に反応してしまう性質

そして、そこにさらなる悪化因子として、痒み(引っ掻くことでさらに症状が悪化!)と、感染症(細菌やマラセチアが感染を起こしやすくなる)がしばしば合併します。

ずばりアトピー性皮膚炎の診断は?

 とっても大事、かつ時折おろそかにされていることなのですが。。。。。

実は!!

痒い皮膚病の代表選手はアトピー性皮膚炎ではありません!!!

えっ???😲

そうなのです。痒い皮膚病は大きく分けて、

  1. 感染性の皮膚病
  2. アレルギーによる皮膚疾患

に分かれるのです。

で、2は大きく分けて、環境中のもの(花粉やハウスダストに対するアレルギー)が原因の場合と、食事が原因の場合に分けられます。

環境中のものが原因のアレルギー性の皮膚疾患のうち、今まで紹介したような特徴を満たす場合に「アトピー性皮膚炎」と診断されます。

この1.の感染性の皮膚病をきちんと検査して除外する必要があります。

アトピー性皮膚炎と診断されていた犬から発見されたニキビダニ

感染性とは次のような皮膚病が当てはまります。

  • 膿皮症(ブドウ球菌が引き起こす細菌感染の皮膚病)
  • マラセチア皮膚炎(マラセチアという酵母菌が引き起こす皮膚病)
  • 皮膚糸状菌症(いわゆるカビ− 真菌 −の皮膚病)
  • ニキビダニ症(ニキビダニという毛穴に住むダニによる皮膚病)
  • 疥癬(疥癬虫というダニが引き起こす皮膚病)
  • ノミ・マダニの感染

また、アトピー性皮膚炎と食事アレルギーは別の病気です。たまに合併することもありますが、それぞれ別々に考える必要があります。

食事アレルギーについて→

感染症の皮膚病を除外するためには、毛を少しだけ抜いたり、フケを集めたり、皮膚表面の細胞をセロハンテープで集めたりして、染色し、顕微鏡で観察して検査します。

診断確定率は100%ではありませんし、季節や病状によって変化もあるので、通院中には何度か検査をお願いすることと思います。

ご理解くださいね。

 原因を探る

 犬種、症状や発症年齢、除外診断からアトピー性皮膚炎が推測される場合、次に推奨できるのはアレルギー検査です。

検査には皮内反応(脇腹の毛を刈り、アレルゲンの注射を皮内に、種類ごとに複数箇所入れて、皮膚の反応を直接見る)と、血液検査があります。

 最初にできたのが皮内反応であったため、ゴールドスタンダードとして血液検査は皮内反応との一致性で常に検討されてきました。

 現在のところ、私は様々な理由から皮内反応は実施しておりません。ご希望の方は大学病院などをご紹介しますので、おっしゃってください。

 血液検査の精度がかなり上がってきているので、利便性を考慮し、血液検査を主に実施しています。

ヒトの場合と同様に、IgEというアレルギーに関与する抗体の値が、それぞれのアレルゲンごとに数値で表されます。

複数の検査会社から信頼性の高い会社を選んでお勧めしています。

 IgE検査は食物についての結果も出ますが、アトピー性皮膚炎の原因を調べる上での評価にはあまり使えません。

 詳しくは食事アレルギーについてへ→

 アトピー性皮膚炎の治療

 今までのところで、アトピー性皮膚炎は「多原性の疾患」であると説明しました。

ですので、治療は原因ごとに組み合わせて対処していきます。

また除外とした感染症ですが、膿皮症とマラセチア皮膚炎はアトピー性皮膚炎にしばしば合併して病態を悪化させるので、常にそれらのコントロールにも気を使います。

大きく分けてそれぞれの原因に対して次のような対応を考えます。

原因1.原因物質を避ける
 検査によりアレルゲンが分かったらそれを避けるという方法。

ハウスダストやハウスダストマイト(イエダニ)なら掃除の見直し、出入りする場所の見直し、敷物の見直し、エアコンの手入れ、空気清浄機の導入など。

 花粉が原因なら、その季節の散歩は避ける。家の中に持ち込まないなど。

原因2.アレルギー体質の改善

 わかりやすく上のような言葉を使って説明することが多いのですが、アレルギーを起こしやすい体質を変化させる根本的と言われる唯一の治療法が存在します。

それは減感作療法というものです。

IgEを作る免疫システムを変えていくと考えられていますが、何故?よりも臨床応用の方が先に発達した分野です。

ヒトではスギ花粉の舌下免疫療法が有名ですね!

 同じようなもので、犬ではハウスダストマイトによるアレルギーだけは、ちゃんと犬用に効果が認められた製剤が利用可能です。方法も1週間に1回、計6回注射するだけという簡単なもの。

効果率は70%前後ですが、ずっと悩まされてきた痒みが6回の注射で、薬が減らせたら良いですよね。実際に1日置き以上ステロイドを減らせなかった犬でステロイドが切れた子もいます!

ただし、6回の後、1ヶ月に1回10ヶ月から1-2年の間、追加接種した方が良いという専門医もいますので、6回目以降は相談で決めています。(明確にはされていません)

原因3.皮膚のバリア機能向上

 ずばり、スキンケアの見直しです。ヒトのアトピー性皮膚炎では、その発症に皮膚の乾燥が関係していることが分かりました。10年くらい前の論文でアトピー素因のある赤ちゃん(遺伝的に疑われる家系の赤ちゃん)に保湿剤を塗った方がアトピー性皮膚炎の発症が少なくなることが報告され、保湿の大切さがクローズアップされてきました。

動物でも同様です。

1)アレルゲンに対する反応→痒い→掻く→皮膚に傷→アレルゲン侵入&細菌も侵入→アレルギー反応&細菌感染の繰り返し

 2)乾燥→皮膚の角質に隙間→アレルゲン侵入→アレルギー反応&細菌感染

従来、上の1)が病態だと信じられていたものが

2)も大きいのでは? という考察ですね!!

乾燥をコントロールすることで、アレルギー反応自体も抑える結果になると考えられています。

また、

3)乾燥→余分な皮脂分泌→皮脂が大好きなマラセチアの増加→痒み

というサイクルにも対応することになります。

原因4.痒みを止める

痒い→引っ掻く→皮膚に傷→アレルゲン侵入&細菌侵入→細菌感染→痒み増加

上のようなサイクルが生まれてしまうので、痒みをコントロールするというのはとても大事な治療の一つです。

痒みを止める方法はステロイドの内服以外にもたくさんありますので、現在はかなり安全にコントロールしやすくなっています。

選べる痒み止め→

原因5.感染症対策

アトピー性皮膚炎に合併する感染症は、原因というよりおそらくは結果の一つですが、今の状態を見極める上では大切な要素になります。

アトピー性皮膚炎は、季節などによって良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。ここまで読んで理解してくださった方々は、コントロールできている状態であっても、微妙なバランスの上に成り立っている感じを捉えてくれているでしょう。

皮膚の状態が悪くなると細菌やマラセチアの感染が生じて、痒みも悪化します。また、痒み止めの種類によっては長く続けると免疫力が低下し、ニキビダニ症が発症していることがあります。

長期管理しているアトピー性皮膚炎が急に悪化した時は、これらの関与を疑って皮膚検査などをきちんと行ったほうが良いです。

まとめ

 治すというよりはコントロールすることがゴールです、とよく説明されますが・・。皮膚の酷い状態を綺麗にして、気持ちよく、副作用なく過ごすというのを常にゴールだと思って日々診療にあたっています。

生涯付き合っていく病気ですが、良い付き合い方を見つけてあげたいですね。😌

犬の皮膚病 ー 外耳炎が治らないその1 ,異物が!ー

犬の皮膚病に最も多いと言われる外耳炎。時にとんでもないものが耳から・・・!!原因の1つをご紹介します。

さて、ある日やってきた、ラブラドール。ほっぺたを激しく掻いています!大型犬は足の力も強くて、毛刈りしてみると大変なことになっていました!!

アンベットクリニックにて
かなり痛そう!!

これはかなり痛そうな様子!!

ここで、ピピっと皮膚科アンテナが!!

「これは耳からきてるかもしれないです。念のために耳も見てみましょう!」

すると。。。

かなり汚れています。赤いですね。外耳炎です。

耳鏡で覗いてみると。。。。

何かあります!!

「何か異物ですね!棘みたいなものがあります。」

そして、洗っても取れません。。。

こういうものは麻酔が必要です。ラブだし、暴れると鼓膜があるし危険ですからね。人と違ってじっとして取らせないですから。。。

というわけで、後日麻酔下で耳洗浄をすることになりました。

わっ!!

犬の耳から摘出したノギ

「ノギ」です。

こんなものが耳に入ってました!しかも逆さまになって返しみたいになっていたので、とても自然に取れるものではないですよね。

主にイネ科の雑草の実ですね。これはこんな風に犬の耳に入ったり、皮膚に突き刺さったりして、結構ワンコたちが被害をこうむりますので、注意してくださいね😂

この数ヶ月で犬の耳から何件もノギを取り出すという、ちょっと変わったお仕事をしております。。😐

他にも耳の奥の方に抜けた毛が刺さり込んで取れなくなっていたり、耳垢が固まって栓になっていたり。。特に片側だけが外耳炎を繰り返す、あるいは治りにくい場合、異物出来物がないかそれなりの器具のある、外耳炎に熱心に取り組んでくれる先生のいる病院でみてもらう必要があります。

フレブルの耳の奥にはまり込んだ毛。生えているのではない!
耳垢が栓になっている。聞こえも悪いのでは?

外耳炎って実はあまりにありふれていて、(あまり皮膚科が好きではない)獣医さん達にとってはつまらない病気なのかもしれないんです。🥲 わんこは辛いし、飼い主さんもこんなに悩んでいるのにね!

獣医さん:「あぁ、外耳炎ね!じゃあこのお薬点耳しておいて。」「ああ、またなったの?繰り返すんだよねー、アレルギーかもね。またこのお薬点耳しておいて。。」

いつもワンパターンでちっとも治らないと感じる時は一度お会いしてみたいです!!😟

さくらと私

・・どうして皮膚科医に・・・?

どうして皮膚科なの?って時々聞かれます。

だからちょっとそれに答えてみました・・。

1.どうして皮膚科に進んだのか?


 私は学生時代の研究論文が犬の外耳炎だったことから、皮膚病に興味を持ちました。新人3日目から最初の病院院長に

“あなたは皮膚病をやりなさい”

と指名され、現日本獣医皮膚科学会会長の永田雅彦先生のセミナーに出席させていただける幸運に恵まれました。右も左も分からない状態で、わずか6人の少人数セミナーに参加。ベテラン叔父さん(失礼🤣)獣医さん達と一緒に皮膚科の勉強をしました。ASCセミナーの2年目のことです。今は立派なASCもあの当時は古いアパートの2階でした。永田先生が今の私よりもお若かった頃のことです!

 それから4年余り毎月永田先生のセミナーに出席し、皮膚科の基礎をばっちり叩き込まれました。

2.皮膚科実績など・・ 

結婚してからは東京農工大学附属動物病院で皮膚科研修医を数年経験し、2012年に獣医皮膚科認定医を取得しました。産後復帰してから10年以上、主に横浜のベイサイドアニマルクリニックで皮膚科を担当してきました。

”皮膚病で悩める動物たちと飼い主さんのオアシスのような存在になりたい”

といつも思っています。症状のひどい子がやってくると腕まくりする気分です。

created by inCollage

きっと今よりずっと良くしてあげる!と思って取り組んでます💪

出会ってよかったと言ってもらえるのが私の喜びです!!

皮膚病の診療実績;膿皮症、アトピー性皮膚炎、食餌アレルギー、疥癬症、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症、マラセチア皮膚炎、ツメダニ症、マダニ寄生、ノミ寄生、ノミアレルギー、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、肝臓皮膚症候群、家族性皮膚筋炎、紅斑性天疱瘡、脂漏性皮膚炎、皺壁性皮膚炎、急性湿性皮膚炎、若年性膿皮症、無菌性結節性皮下脂肪織炎、AlopeciaX、淡色被毛脱毛症、性ホルモン関連性皮膚疾患、好酸球性皮膚炎、表皮嚢腫、肥満細胞腫、組織球腫、上皮向性リンパ腫、亜鉛反応性皮膚疾患、肉芽腫性脂腺炎、落葉状天疱瘡、反応性組織球症、皮膚リンパ球症など

3.現在の診療施設

 現在月曜日・火曜日午前中は横浜市神奈川区のアンベットクリニック

水曜日は1日横浜市都筑区のセンター南動物病院

木曜日・日曜日の午前中は東京都大田区の動物病院エルファーロ

主に皮膚科を担当しています。


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