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狭窄性外耳炎1

外耳炎が治らない – その2 - 塞がってしまったつらいお耳

何ヶ月も何年もお耳がぐちゅぐちゅなんて可愛そうなワンちゃん達。理由と治し方があります。根気よく通院して手術を回避した症例(手術を否定するわけではありません。)

  1. 半年ほど他院で治療中もみるみる腫れ上がり悪化
  2. 菌を調べる
  3. 正しい洗浄とお薬の開始
  4. CT検査結果
  5. 治療経過
  6. そして元気に

1.半年ほど他院で治療中もみるみる腫れ上がり悪化

 他の病院で半年ほど治療しているのに悪化する一方という相談がありました。

お耳は両方とも腫れ上がり、ほとんど塞がっていました。ベタベタした分泌物が出てきて匂いも強いです。細いカテーテルがやっと入るような状態です。お耳の下側まで固く腫れ上がっていました。

 多くの病院ではこのような耳に対しては手術が適応と言われます。今後ケアの必要のない耳にするにはそれが唯一「治す」方法になるかもしれません。でも全部耳道を取ってほとんどお耳が聞こえなくなるのを受け入れるしかないのでしょうか?全耳道手術は神経症状などの合併症が多く、数ヶ月とか数年経過してから傷口がじくじくしてくるなどの障害も多く発生します。

 ところが

 こんなお耳でも多くの場合手術を避けて耳の不快感のほとんどない生活と普通のお耳の形状を維持することが可能です。

ただし、一生1ヶ月に1度程度の定期的な診察と耳洗浄が必要になるかもしれません。

 両方のお話をして、飼い主さんとしては今までの病院でも手術の話をされたけれどもまだ若いし、手術は絶対嫌なんです!というご意向でした。

 全身状態、悪化前後のお食事、身体の他の部位の皮膚疾患などについても診察します。

 四肢の指間などにかなりの発赤がありました。

 アトピー性皮膚炎や食事アレルギーの疑いがあります。足先はマラセチア皮膚炎です。

2.菌を調べる

 アレルギー検査を進めつつお耳の菌についても調べます。顕微鏡検査で、細菌が多くいる場合、私は最初に菌数をなるべく減らす治療をします。

 外耳炎は抗菌剤とステロイド、抗真菌薬のミックス剤点耳薬が使われることが多いです。この子もそのような処方とアポキルの内服を続けていましたが、ちっとも効いていないようでした。

 細菌を外注検査に出して、もっと効果的な抗菌剤がないかどうかを調べます。

薬剤感受性

 まだ効果的な抗菌剤があるようです。

3.正しい洗浄とお薬の開始

 入口付近のみ洗浄液を入れてクチュクチュもんだりしません。腫れ上がって痛いお耳はなるべく刺激の少ない方法でなるべく奥から洗浄して、悪い成分を排出するよう試みます。

 適切な抗菌剤の点耳薬や飲み薬を開始します。

お薬

 前回お話したように外耳炎は洗浄とお薬、原因の除去が大切。汚れをとって、微生物を減らし、炎症を取り、そして炎症の原因も探るという多角的なアプローチと根気が必要です。

4.CT検査結果

 中耳炎も疑われるためにCT検査も薦めました。(CTセンターを紹介します)

どうやら鼓膜は無事なようです!!鼓膜が破れている場合はリスクの度合いも高くなるので良かったです!まだ間に合うかも!!

5.治療経過

 少しだけお耳の入り口が開いてきました。少しだけ中も見れるようになってきました。

今まで悪化するばかりだったので、飼い主さんも嬉しそうです😀

6.そして元気に

 最初は1週間に2回の通院から始め、次に1週間に1回。内服薬や点耳薬を適宜変更しながら根気よく通院していただきました。半年から1年位かかりますが、すっかり入り口も普通のお耳になって、中もよく開きました。

 何より嬉しいのはワンちゃんが元気になって遊ぶようになりました、と言っていただけることです。あぁ私、この仕事していて良いんだなぁと感じます😂

お耳が治ってご機嫌
お耳が治ってご機嫌

 今でも6週間に一度くらい定期的にお耳洗浄をしていますが、それで調子よく過ごしています。

症例:猫の疥癬 ー 東京や横浜なら疥癬なんてダニの病気は関係ないと思っていませんか?ダメダメ!油断禁物です。ー

横浜市神奈川区のアンべットクリニックの患者さんです。

お顔

病院のごく近所に住んでいる気のいい飼い主様。昔ながらの感じで何頭かの猫さんをお外にも出して飼っています。今回数ヶ月前に新しく飼い始めた猫さん(元野良猫さん!)の皮膚がボロボロだということで、連れていらっしゃいました。

一見すると食事アレルギーを疑うような発疹分布なんです。耳介には病変が全然ありません。ただ、尾っぽにすごくフケの多い所があって、アレルギーにしては変だなと思いました。

 痒がってますか?と聞くと、「掻いてるところは見ていません」というお返事だったのですが。。。。

念の為、皮膚検査をすることにしました。。

すると・・・・

疥癬でした!

 「こないだまで外にいたからどこかでうつってきたんでしょうね。隣町の白楽には疥癬の狸がいて餌付けをしているお家があったらしく、そのお家の近所のワンちゃんが疥癬になったこともあるんですよ」と数年前の経験を話しました。

すると・・・・

皮膚がボロボロのタヌキを近所で見たわ!

というお話でした!!びっくり😲

白楽もですが、ここ三ツ沢も横浜駅徒歩圏内です!!(少し遠いけどね)

三ツ沢には豊顕寺の森という森がありますし、有名な高校の校庭裏は林と人が入らない草ボウボウの土手があります。

横浜って自然も多いんですよね。

思えば東京都府中市の東京農工大学の皮膚科診療に出ていた頃も大学病院に疥癬のワンちゃんが何頭も来ましたっけ。。

フケがいっぱいの所を皮膚検査するとフケにダニやダニの卵が含まれていて見つけられることが多くあります。でも、先にシャンプー療法とか散々やって綺麗にしてしまうと検出率下がるんですよね。。。

大学病院では中々診断が付かずに病理検査までやってようやく分かったケースなんてのもありました。。。。他の犬とほとんど接触がないと言っていたワンちゃんも疥癬だったことがあるんです。

東京にも新宿御苑や代々木公園、砧公園、皇居、上野恩賜公園、青山公園、井の頭公園、葛西臨海公園とか明治神宮とか。。。大きな公園や森!!たくさんありますよね。

タヌキ!!

タヌキさん

いると思います!

そしてタヌキが疥癬になると、群れに広がるし、駆虫薬とかも中々難しいから根絶しにくいんじゃないかしら。

 疥癬は皮膚から離れると3日くらいしか生きられないのでそんなに簡単にはうつらないとされています。それは間違ってないんですけれど・・・逆に言えば草むらとか、ペット同伴OKの大きいデパートのカゴに敷いてあったペットシーツとか、他のワンちゃん(実は疥癬だったとしたら。。)が遊んだ後のサークルとかから・・・

3日以内ならうつってしまう可能性があるということです。

最も最近のノミ・マダニ予防薬は疥癬にも効果があるものが多いので減少傾向だとは思います。

でも・・・。

洗っちゃう前に皮膚検査!!😣 しましょうね!!

良くなりました!良かったね😀

疥癬

疥癬って何?人にうつる? ー とっても痒い疥癬のお話 ー

1.疥癬って何?

「ヒゼンダニ」というダニ(目に見えないくらい小さい。ものすごく眼の良い人はギリギリ見えるかも!!)が、皮膚に寄生して起きる皮膚病です。

2.どんな症状なの?

とにかく痒みが強いです😖

そして丘疹(ブツブツした発疹病変)や、フケの亢進(増えること)を認めます。疥癬のフケは分厚く降り積もるような症状になることが多いです。診察台でも掻き続けるほど痒みが強いので毛が切れて薄くなってきます。

痒い!!疥癬

このダニは上皮に穴をあけて潜り込んでいき、動物の角質を餌にして生きていると考えられています。生き物ですから中で排泄物も出します。その排泄物にアレルギー症状を起こすことがひどい痒みの原因となるようです。

疥癬のトンネル
皮膚病変分布、疥癬

疥癬の病変分布はある程度特徴的で、耳介の先端、肘、踵、そして腹部が好発部位です。

3.どうすれば分かる?

丁寧な皮膚検査を行います。フケに多くの疥癬や、疥癬の卵が含まれることが多いです。そのため、既に何度もシャンプーしてフケを完全に落としてしまっている場合、検出率は低くなります。有名な皮膚の専門医でも疥癬が皮膚検査で出てくる率は50%程度と言っています。そのため、病理検査が必要になったり除外診断あるいは診断的治療といって、ダニが証明されてはいないけれども疥癬の治療をしてみるということもあります。

掻爬検査

診断的治療はアトピー性皮膚炎の治療としてステロイドなどの免疫抑制作用を有する薬を使う前に行うべき標準的な治療法です。

4.人にうつる?

うつります。

ただし、疥癬は動物の皮膚から離れてそんなに長くは生きられない(だいたい3日くらいしか生きられないと言われています)ので、ちょっと抱いたくらいですぐ感染するものではありません。

しかしながら友人の獣医師や飼い主様でも感染した方がいますので、疥癬の動物は治療が完了するまでは他の動物とは隔離し、使用したタオルは50度以上のお湯に10分以上漬けてから洗濯してください。また一緒に寝るなどは控え、抱っこした日はシャワー、入浴を必ずするようにしてください。衣類のタオルと同様に対応した方が良いでしょう。

5.どうやって治療するの?

以前はイベルメクチンという薬を内服したり、注射したりする治療法が一般的でした。現在ではいくつかのノミ・マダニ予防製品が疥癬に対して治療効果があることが分かっています。なので、治療効果のある製品を日常使いしている子は感染する可能性がかなり低いです。そのため、疥癬をみる機会は減ってきています。

ノミ・マダニ予防製品をみなさん使用している使用していると思いますが、疥癬に対して効果があるものとないものがあるので確認が必要です。

十分治療したにも関わらず痒みだけ残る場合は、身体に残っているダニの排泄物などに対するアレルギー症状が継続している可能性を考え、治療薬を継続しつつ抗アレルギー薬を使用します。

痒くなくなってニッコニコ!!
精巣腫瘍による脱毛

たかが皮膚病? されど皮膚病!!(脱毛から発見した精巣腫瘍の話)

皮膚の変化を見過ごされていた腫瘍の症例について ー 回顧録的な・・ ー

 えー、最初に言います。今回若干愚痴です。

過去の症例をネタに。。時々感じることなんですけど。。

皮膚の変化って時々軽視されるんです!!😡

 この子は高齢のプードルさんで以前勤めていた病院で出会った子です。ずっと他の先生に懐いていた飼い主様の子で、言ってみれば私の担当って感じではなかったわけです。

 割と神経質な飼い主様でちょっとした下痢とかでよく来院されていたようです。ずっと腫瘍認定医さんが診ていた症例だったような気がするのですが、どこかの時点からこんな風に脱毛が生じていたみたいなんですよね。

精巣腫瘍の脱毛j

でもですね。全くと言って良いほど脱毛については気にされていなかったんです。

年取った子って毛が薄くなったりすることよくあるよね。みたいに。。。。。😓

担当医が休みの日にまた下痢か何かで来院されて、たまたま私が診察に入ったんですよね。。で。

「あれっ?毛が薄いのいつからです?」

すぐにさっと身体検査をしたら。。。

何と!

可愛いたまたま(あれですよ、あれ。そう。睾丸=精巣です。。)が左右不対照な上に大きい方はゴツゴツしてるじゃないですか!

だからね。言いました。

「〇〇さん。今日の下痢はお薬出しますけど、それよりこの毛が薄いのですね。ひょっとすると精巣の腫瘍からきてるってこともあり得るんですよ。ほら。大きさが左右で違うし何か固いでしょ。そういう腫瘍あり得るんです。精巣の腫瘍だと放っておくと貧血とかになって命に関わることだってありますから、担当医の先生にももう一度早めに診てもらって相談してくださいね。」参考→

いえね、ずっと他の先生が診ていた症例だと横からグイグイ検査進めて手術の予定まで立てちゃうとかはなんだな、っていう遠慮があるわけですよ。飼い主さんにしても急な話ですし、いつもの先生とも相談したいでしょ?すぐ来てくれそうな方だったし。。

というわけで、この子は後日去勢手術をして精巣を無事摘出。

その後こうなりました。。

精巣摘出後の発毛

貧血にもなってなかったし、良かったです。

でもね、でもね!🤣

私、担当医からも飼い主さんからもお礼も感謝も全然言われなかったの!😂

そんなことってありますー?放っておいたら死んじゃったかもしれないのよ?(ちょっと大げさかもしれないけど。手遅れになることだってあり得る。。)まあ、いいんですけどね。😔

というわけで。

「何か皮膚科医って可愛そうだな・・・・😭」っていう愚痴でした。笑。

あと、

「皮膚は内臓の鏡だからー!異常を見たら気にしてよね!!」

ってのがホントに言いたいことです。

以上でした。。

マラセチア皮膚炎による色素沈着

犬の皮膚の色の変化について ー 黒い、赤い、白い ー

皮膚って目に見えるから何か変化があると心配になっちゃいますよね。黒くなった、赤い。白くなった。など皮膚の色の変化について解説します。

黒くなる場合

動物の皮膚の色が黒くなる場合、大きく分けて黒っぽいものの分泌が増えて黒っぽく見えている場合、毛穴が黒くなって目立っている場合、そして皮膚自体に黒っぽく色がついている場合があります。

分泌が増えるケース

弱い炎症が長く続くと、皮脂の分泌が増えて毛にたくさん付いてくることがあります。脂漏性皮膚炎、マラセチア皮膚炎、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症など

皮脂がたくさん分泌されている

毛穴が黒く目立つケース

これも慢性的な刺激が長く続いていることが多いです。ニキビダニ症など

皮膚自体が黒いケース

フケなどの汚れをシャンプーなどで除去しても黒さが取れない、毛穴ではなくて、皮膚自体が黒いケース

多くの場合慢性皮膚炎の結果です。特に犬では慢性皮膚炎の後に色素沈着といって、メラニン色素が皮膚に沈着する現象が起こります。炎症事態が既に治まっていることが多く、多くの場合心配いりません。

黒い場所が限局している。不整な形。盛り上がってきたなどの場合は腫瘍ということもあり得ます。早めに診察を受けましょう。

皮膚が赤くなる場合

皮膚が赤くなるのは炎症を起こしていることが多いです。炎症を起こす原因は感染症とアレルギーが2大原因。その他の皮膚病でも病気本体の周りに炎症性の細胞が集まる(二次的な炎症)と赤くなります。

感染症?

膿皮症(細菌が原因)、皮膚糸状菌症、疥癬、ニキビダニ症マラセチア皮膚炎など

多くの場合ブツブツ(発疹)やカサブタ(痂皮)が痒みよりも先に起きてきます。痒いことが多いです。

アレルギー?

アトピー性皮膚炎や食事アレルギーがこれにあたります。発疹や痂皮より先に痒みが出ることが多いです。痒いです!!

その他の皮膚病

腫瘍や免疫介在性(自分の免疫細胞が自分の細胞を攻撃してしまう病気)皮膚疾患でも赤みが出る場合があります。多くの場合、じくじくしたり(糜爛)盛り上がったり、ガサガサした様子(分厚いフケが重なるような様子)が非常に強いなどの特徴があります。

免疫介在性の皮膚疾患
粘膜皮膚移行部の糜爛

白くなる場合

人の白皮症のような病気は動物ではほとんど見られません。でも、毛穴が白くなる。皮膚に白い塊がたくさんできる。黒かった部分が色が抜けてくる。という場合はあります。

毛穴が白くなるケース

皮脂の分泌が何らかの原因で増えているということが考えられます。脂漏性皮膚炎、ニキビダニ症、内分泌疾患、栄養学的な問題など

皮膚に白い塊がたくさんできる。

医原性クッシング
皮膚に白い固い小さな塊が無数に触れる

何らかの代謝異常が考えられます。何かが皮膚に沈着している可能性です。塗り薬や飲み薬のステロイドの副作用でよく見られます。部分的に大きく盛り上がってくる場合は腫瘍の可能性も考えられます。いずれにしても早めに診察をお薦めします。

黒かった部分の色が抜けてくるケース

1歳以下の若い子のアイラインなどは眼球が大きくなるにつれ、アイラインが間延びして色が抜けてくるように見えることもあります。この場合は平坦で、数週間という単位で広がっていくことはほとんどありません。

が、黒い部分の色が抜けて赤くなったり白っぽくなったりするケースは、免疫介在性皮膚疾患や皮膚の腫瘍で多く見られます。特に盛り上がったり炎症を伴う(ジクジクしている)場合は早めに診察をお薦めします。

ステロイドいらなくなったよ

ステロイドが切らせません。。いえいえ、減らす方法があるんです。今ではステロイドがいらなくなったチワワちゃん

ーステロイドが切らせませんという相談をよく受けます。順番に丁寧にアプローチすることが大切ー

センター南さんの保護犬出身です。

5歳で引取り。引き取った時点で全身の脱毛があってかなり酷い皮膚疾患だったそう。

私がセンター南に来る前から先生方も飼い主さんも一生懸命やってくれて、相当良くなったそう。

それでも、時々掻き壊してしまうのでステロイド(副腎皮質ホルモン剤)を毎日半分づつが欠かせない。もう少し減らす方法はないですか?という相談でした。

結構痒そうですね。

皮膚検査でマラセチアはいませんでした。痒い場所がかなり限局的なので、外用薬を上手に使うと内服薬が減らせそうです。保湿も重ねながらいくつかの塗り薬を薦めました。

ステロイドは早い段階で1日おきに減量できました。

アレルギー検査をしてみると。。。病変の分布からもアトピー性皮膚炎を疑いましたが、やっぱりそれっぽい。

そこで・・・ハウスダストマイトの減感作をスタートしたら。。。

何とまあ、すっかり綺麗になってしまいました。そして、飲み薬のステロイドも全くいらなくなりました。

ステロイドいらなくなったよ
もうすぐ話し出しそうな賢いお顔です!

減感作療法は今は3ヶ月おきで良い状態を維持できています😊部分的なステロイドの塗り薬もたまーに塗るくらいですんでいます。

念の為付け加えると、ステロイド=悪というわけではないんです。私も使いますし、時にはこれがベストチョイス!!って頼りにすることもある凄い薬です。

でも長期的な使用となると。。。ちょっと心配ですよね。

上手な切り方、付き合い方のアドバイスできると思います。実際に診て丁寧に聞くとたくさんのヒントが隠れています。気楽に相談に来てください。

猫の皮膚病ー蚊!蚊が出てきたよ!!注意!!ー

蚊!蚊が出てきたよ!!黒いお耳を持つ外猫さん!!この季節は要注意!!お耳にブツブツが出て引っ掻いている。そんな時は・・・・・!

暑くなってきました。。お外に出るのに虫除けがいる季節。。

実は私、O型のせいがとても蚊に好かれます。えっ?足が臭いんじゃないかって??・・・酷い。。。。😿

わんこはこの季節はそろそろフィラリアの予防を始めなくちゃ!って頃ですよね。

にゃんこの皮膚科領域ではこの頃から。。特に外猫さん、しかも何故かお耳の黒い子が特に!!

にやられる季節なんです!!

蚊刺症=モスキートバイト!

ご存知でしたか?その名も「蚊刺症」、あるいは「蚊刺咬性過敏症(モスキートバイト)」なんて言います。

これは蚊のアレルギーであることが分かっています。

教科書では昆虫アレルギーと紹介されていることもあります。

耳介や鼻先、足の裏など毛の薄いところがやられます。そして猫さんは解毒作用が弱いので、どうも人用の蚊よけゼリーを塗らない方が良いみたいなんですよねー。。

結局のところ、蚊に刺されないようにする。病変は早めに対症療法で治す&引っ掻かないようにする。。という対応になりますが、ま、蚊に刺されか!そのうち治るかな!なんて軽く見ていると、酷く引っかき壊して化膿してしまうこともあるので、早めにご来院くださいね!

治療後↓

痒くなくなって良かったね!

犬の皮膚病 ークッシング症候群ー

全体的に毛が薄い。お腹がポッテリと太っている。お水を飲む量が多い。おしっこが多い。皮膚病を繰り返す。。。高齢犬のこんな症状。ひょっとしてホルモンの問題かも!!高齢犬に多い皮膚病の1つクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の解説

1.特徴

高齢になってから皮膚病が治らない。それに以下のような症状が一致したらひょっとしてホルモンの病気の一種、「クッシング症候群=副腎皮質機能亢進症」の可能性があります。

  • お腹がポッテリと太鼓っ腹になってきた。
  • 食欲はすごい。
  • お水を飲む量が多い。
  • ハァハァ言うことが多くなった(パンティング)
  • おしっこが多い
  • 皮膚が薄い
  • 傷が治りにくい

高齢になってから起きるホルモン関連の皮膚病の2大原因に、「甲状腺機能低下症」と、「クッシング症候群=副腎皮質機能亢進症」があります。どっちも太りやすくなるのが特徴的ですが、太り方とは皮膚の感じが違うんですよね。どっちも毛の抜け方は割と似てるんですけど。。。

  • 甲状腺機能低下症は、皮膚は厚い。太り方は全体的に寸胴な感じのんびりしている
  • クッシング症候群の方は皮膚は薄い。太り方はお腹だけポテッと太鼓っ腹になる。活動的食欲もすごい。

という感じです。

2.飲水量が増えます

飲水量は犬の平均が1日60ml/kg 程度。クッシングでは100ml/kgくらいになったりします。つまりは5kgくらいのわんこが1日に500mlのペットボトルを空にするくらい水を飲むなら明らかに異常です。

不安な時は24時間でどれくらい水を飲んでいるか、計量カップとかを使って量ってみてくださいね。

飲水量の増加は他にも糖尿病や腎臓病、利尿剤やステロイドを飲んでいる時にも見られます。

3.症状

クッシングの時の典型的なお腹の様子はこちら↓ お腹だけポテッと膨らんでます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

拡大したのがこちら↓ 皮膚がすごーく薄くて切れそうなくらい。皺がよってます。皮膚の下の血管がよく見えますね。

クッシング症候群の犬の皮膚、拡大像

皮下組織が薄くなり脆弱になった皮膚は傷つきやすく、

「引っ掻いたら赤くなって治らない」、「毛が生えない」、また甲状腺機能低下症の場合と同様に「膿皮症が治らない」という症状で来院されますね。

4.検査はどんなことをするの?

血液検査とお腹のエコー検査を行います。

血液検査は少し特殊なホルモンの検査をします。最初に採血して、副腎を刺激する注射をし、1時間後にまた採血するという検査、あるいは最初に採血して副腎を抑制する注射をし、8時間後にまた採血する検査の2種類があります。

どちらを選択するかは、病院の状況や動物の性格にもよります。(この検査はストレスの影響を受けるので。ストレスに弱い子ほど不正確な値になりやすいのです。)

お腹のエコー検査では副腎の厚さを見ます。横向きあるいは仰向けでゴロンと寝てもらって、超音波でお腹の中をのぞくものです。痛くも怖いものでもありませんので、安心して受けてくださいね!

超音波検査、アンベットクリニックにて

5.治療は?

検査結果にもよりますが、ほとんどが「下垂体依存性副腎皮質機能亢進症=過形成」というタイプになります。

実はこのタイプ(およそ9割)は、実は脳の下垂体に腫瘍ができることで副腎の異常につながっているのです。。つまり大元は脳にあるので、本当は脳の手術や放射線治療をしなければ根本治療にはなりません。脳の状態を調べるにはCT検査やMRI検査を受ける必要があります。

CT/MRIなどの画像検査、脳の手術は一部の大学病院や大きな病院をご紹介することも可能です。

画像検査や脳の手術や放射線治療までは望まない場合、問題が起きている副腎のホルモンを抑える内服薬を処方して生涯治療を続けることになります。この場合は数ヶ月に1度診断の時と同じようなモニターのための血液検査を行います。

残りの1割は副腎の腫瘍によるものです。血液検査と腹部のエコー検査で判断します。腫瘍は手術をおすすめすることが多いです。大きくなると周りの大事な血管に侵入して血行障害を引き起こしかねないからです。

他に持病があるなどの問題があり手術を望まない場合は、やはり内服薬による治療を行います。治療に反応してくれることもありますが、過形成の場合よりは反応が劣るようです。

犬の皮膚病ー 甲状腺機能低下症 ー

毛が全体的に薄くなってきた。ぽってりと太って寝てることが多い。寒がるなど。。。うちのわんこも年取ったなー。。ちょっと待って!それ病気の可能性も!!

高齢のわんこが治りにくい皮膚病を抱えてやってきた時。。。私達皮膚科医は内分泌性の皮膚疾患を疑うことが多いです。よくあるのがこんな

「膿皮症と言われたんですけど、なかなか治りません」

治療前の様子

という状態。

高齢犬で多い内分泌疾患は

1.甲状腺機能低下症 2.副腎皮質機能亢進症 3.性ホルモン疾患

の3つ。全部調べたらいきなり高額医療!!!私個人的にはこれらぜーんぶ一気に調べてついでにアレルギー検査も入れちゃうなんてのはナンセンス!と思っています😅まあ、人様のやることをあまり批判してはいけないかもしれませんが。。。。。

さて、それでは今日は甲状腺機能低下症の特徴をお話します。

1.どんな病気?

甲状腺は喉のすぐ下の部分にあって、甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官です。

甲状腺ホルモンは代謝を活発にし、筋肉にエネルギ-を供給し、心臓・内臓・皮膚など体のあらゆる部分の活動を調整するという非常に重要な役割を担っています。
何らかの原因で体の活動に必要なだけの甲状腺ホルモンが分泌できなくなった状態を

「甲状腺機能低下症」

と呼びます。この病気は中型犬や大型犬に多い傾向がありますが、小型犬でも発症します。5歳以降の中高齢犬に多いのですが、もっと若い場合もあります。

また、この病気は猫ではほとんど起こりません。

2. どんな症状?

  • 太りやすくなった。・・・特に甲状腺機能低下症の太り方は全体的にぽってりとした太り方!お腹だけじゃなくて、腕とか足とか首とかもな~んとなく。。皮膚もぶ厚いような。。寸胴体型な・・・そんな太り方。
  • 毛が全体的に薄い
  • 毛並みが悪い。子犬みたいなふわふわした毛並み
  • 部分的に毛がない。
  • トリミングの後毛が生えない。
  • 動作がのんびり
  • 顔つきがぼんやりしている。・・「悲しそうな顔貌!なんて表現されます!」
  • 寝ていることが多い。。

まぶたとか、唇とかの皮膚がぼってりすることでこんな表情になっちゃうんじゃないかな。。

でも。。。上の症状のリスト・・・よく見ると。。。

年取ったらそんなの普通じゃん!!

って感じの症状ばかり。。だから見過ごされてることがとっても多いと思う。。

なので最初のように「膿皮症がなかなか治りません!」とかでようやく疑って検査に進むということが多いです。

そのほかに徐脈胆嚢の異常、一般血液検査の異常(高脂血症)などから検査を進めて発見されることもあります。

 3.どうしてなるの?

甲状腺機能低下症は、おもに免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎と、特発性甲状腺萎縮によって引き起こされます。この病気の一部には、遺伝的要因の関与が考えられていますが、明らかではありません。

また、他の病気が甲状腺ホルモンのはたらきを阻害し、同様の症状を引き起こすことが

あります。ステロイドの飲みすぎで二次的になることもあります!

95%は甲状腺そのものが原因、残り5%ほどは他の病気が原因です。

4.どんな検査をするの?

甲状腺機能低下症の検査は一般血液検査とは別に甲状腺の機能を測定するための血液検査を行います。

詳しく検査するために外注検査(外部の検査センターに血液を送付する)を行う事が多いです。

5.どんな治療をするの?

甲状腺ホルモンのお薬を飲むホルモン補充療法を行います。

他の病気が原因で起こるものを除いては、生涯にわたって治療を続ける必要があります。

治療を開始すると・・

  • 全体的に活気が出てくる
  • 毛が生える
  • 毛並みが良くなる
  • 傷や感染症(膿皮症も含む)の治りが良くなる
  • などの効果が期待できます。

反面、神経過敏、動悸が激しくなるなど薬の効果が予想以上に強く出てしまうことも時折見られます。そのため、特に治療初期は診察や血液検査による検診が必要です。

きちんと治療すれば安全に良い感じでコントロールできることが多いので、しっかり付き合ってあげてくださいね。

犬と猫の皮膚病  ステロイドって怖い?その2, 外用薬編

皮膚病と言えばステロイド。先に言っておくとステロイド=怖いではありません。私も使います。でも怖さと有益性をよく理解して注意して使いましょう!というお話

「ステロイド」というとどのような印象をお持ちですか?
やはりあまり使いたくないなとか、怖いんじゃないか、とかありますか?

いわゆるステロイドとは体にある副腎という内臓で作られる副腎皮質ホルモンを合成して作ったもので、強い抗炎症作用、抗アレルギー作用を持ち、皮膚病他様々な病気に使われています。

内服薬の副作用

内服(飲み薬)で使う場合は
・糖尿病を起こしやすくなる
・尿量が増える
・太りやすくなる(食欲も亢進する)
などの副作用もあり注意して使う必要があります。

外用(塗り薬)で使用する場合はそういう副作用はほとんど見られず、効かせたい場所にだけ効果的に効くので、皮膚科領域では使用することが多くあります。

一部で噂される「黒くなる」「癖になる」「一生全身に影響が残る」などは、誤解や使い方の悪さによるもので、通院しながら他の療法と組み合わせて上手に用いれば非常に効果的に、心配なく使用することができます。

ところが!!

あまり知られていない外用薬の副作用

「皮膚病ですか?じゃあ、これね。」
と処方されたものを漫然と多量に使い続けた場合には、
今日ご紹介する


「 ステロイド皮膚症 」


になってしまうことがあるかもしれません。外用のステロイドは塗りすぎると皮膚が薄くなってしまうという副作用があります。

次の写真は1日に何回もステロイドの塗り薬を数ヶ月塗っていたケース。

↑ 左は猫さん。痒いところに一生懸命塗るうちに、皮膚が薄くなって孔があいちゃいました🥲

右はわんこですね。

可愛がって一生懸命な飼い主さんの子こそがこれになりやすいです。痒がっているのが可愛そうで一生懸命塗ってしまうからですね😌

これは飼い主さん向けのサイトなので、気をつけましょうね。っていう表現にはなるし、知識を持って注意をしてほしいのですけれど、獣医師側の責任でもありますよね🤔

どうすれば防げるかな?

お薬を出す時に、あれ?こんな頻度でお持ちになるのは少し多くないかな?使いすぎになってないかな?と気にしてあげたり、病変部がステロイド皮膚症になってしまっていることに気がついてあげないといけない。。😟看護婦さんもこのページを見てくれたらちょっと気をつけてみてほしいな!😐

塗り薬を中止し、もっと優しい治療法に変更して数カ月で完治しました。

外用薬のステロイドは上手に使って内服薬を減らすのにとても良いものです。また、慢性化した酷い皮膚病を好転させるのにとても力を発揮します。

でも漫然と使用するのではなく、通院しながら説明どおりに使ってくださいね😌

そして獣医さんは出しすぎ注意です!よろしくおねがいします!🙏

*ちなみにこの症例はベイサイドアニマルクリニックに勤務していた時に私が実際に診察した症例です。他のHPで使用している場合、私が以前に書いた文章をそのまま病院実績のようにして使用しているか、あるいは転載です。